2020年の1月にWindows 7のサポートが切れることから、お客様でお使いのこの機種をWindows 10にアップグレードする案件に携わりました。
そもそもこの機種はWindows 7がプレインストールされており、直接Windows 10にアップグレードすると、以下のエラーメッセージでインストールが失敗しました。
0x8007001F - 0x20006 REPLICATE_OC 操作中にエラーが発生したため、インストールは SAFE_OS フェーズで失敗しました

調べてみると、Windows 8のダウングレード権を使って、Windows 7がプレインストールされているパソコンにおいて、Windows 10へアップグレードの際にプロダクトキーが不整合となるようです。
だとすると、Windows 8に一旦アップグレードしてから、Widnows 10にアップグレードという二段階の方法を取る必要があるわけです。
そこで、付属品のWindows 8リカバリディスクをご準備頂くようお願いしたところ、ディスクが見当たらないとのことでした。
次善の策を探るべくひとまず作業を保留とし、当該のパソコンをお預かりして退出しました。
本記事執筆時点ではまだWindows 8.1のディスクイメージ(ISO)がマイクロソフトのサイトからダウンロードできますので、これを入手してアップグレードをと考えてみましたが、それだと時間も手間もかかりすぎるので、現状のディスクイメージをバックアップだけしておき、その上で直接Windows 10をクリーンインストールする手もあるなと思い、早速その方法で進めてみました。

インストール手順

大略、以下の通り進めてみました。
  1. まず失敗に終わっても復旧できるように、Windows 7標準のシステムイメージの作成でディスク全体を外付けハードディスクにバックアップします。
  2. ついでに修復ディスクも作成しておきます。
  3. Window 10のISOファイルからあらかじめ作成しておいたインストールUSBメモリを使って、パソコンをブートします。
    なお、本記事執筆時点でWindows 10の最新バージョンは1903ですが、本記事で用いたバージョンは1809です。
  4. CドライブへのWindows 10インストールを開始します。
  5. 途中Windowsのライセンス認証画面ではプロダクトキーがありません(I)をクリックします。
    この機種はBIOSにWindows 8のプロダクトキーが組み込まれているとのことで、この情報を使うようです。
  6. インストール完了までしばらく待ちます。
  7. ログイン画面が表示され、Windows 10のインストールが無事終了です。
  8. すぐにWindows Updateを実施してドライバ類を更新します。
  9. 引き続き、Windows Updateではインストールされないドライバ類を入手するため、Lenovoのサイトに行きLenovo Service Bridgeをダウンロードして、インストールしておきます。
  10. Lenovoのこの機種のドライバダウンロードページに行き、Lenovo Service Bridgeを使って自動検出を実施し、欠けていたドライバをインストールします。
手順は以上です。
作業時間は余裕を見て、一日はかかると思っておいた方がいいでしょう。
この手順により、この機種に特有なキーボードのホットキーも正常に動作します。

最後に伏兵現る

ただ一つ大きな問題が見つかってしまいました。
というのも、このパソコンにはOffice Home and Business 2010がプレインストールされていたのですが、Widnows 10をクリーンインストールした関係で、Officeも再インストールする必要があります。
お客様に付属品のOfficeメディアパッケージをご準備頂いたところ、これも見当たらないことがこの段階で判明しました。
よくお使いのExcelが無いと仕事にならないとのことで、残念ながら結局元のWindows 7に戻すことに。
念のためと思って最初にシステムイメージをバックアップしておいて助かりました。
しかしながら、いずれにしてもOffice 2010も2020年でサポートが切れますから、年内には何らかの措置を取らざるを得ないことに変わりはなく、Officeに関しては別途ご検討頂くこととして、パソコンを現状回復してお客様にお返ししました。

Officeは意外に曲者かも

この機種に限らず、Windows 10にアップグレード後にExcelを起動すると、少なくともOffice 2010と2016でプロダクトキーを要求されるケースに遭遇しています。
Office 2016についてはアップグレード前にOfficeの更新をしておくと発生しなくなるようです。
Office 2010で起こった場合は、当該のパソコンに用いた正規のプロダクトキーを、確実に手元に用意しておかないと痛い目に遭いますので、注意が必要です。
プロダクトキーを紛失した場合、プロダクトIDが分かっていれば、一回だけプロダクトキー再発行をマイクロソフトに依頼できるとの情報もあるようです。
マイクロソフトテクニカルサポート : 0120-54-2244

2019年09月22日追記

Windows 10にアップグレードした直後に、Officeを起動すると直ぐ終了してしまうという不具合もあります。
Windows 10で一旦Windows Updateを実行して、最新の状態にしてからOfficeを起動するとうまくいく場合があります。